症例35 捻挫?

2021年11月16日

症例35 捻挫?

捻挫の治りが悪い場合、足首のテンセグリティ構造が崩れている場合があります。
前回書いたように、障害を受けて時間が経つと、そこに機能障害が発生しバランスを崩してしまいます。

足根骨に発生した障害を矯正するのは当然のことですが、それだけでなく筋膜バランスを調整する必要があります。
30代男性も2ヶ月前の捻挫が治りきらず、未だに足首を打ち返しにすると痛い。

足首を保護するためか足首の下のほうがかなりガチガチになっていて、前も後ろも硬くなり足首自体が動かなくなっていました。
当然こうなると動かない足首を無理やり使うことになりますから必要以上に足首に負担がかかり痛みが出ます。

ひと通り筋肉を緩めて、内側に入り込んでいた距骨を外に引っ張り痛みの確認をするとまだ痛いといいます。
足首の骨はちゃんとバランスはとれているのに、まだ痛いとなると他にまた原因があるんでしょう。

いろいろとあちこちを引っ張ったり押したりしながら痛みの確認をすると、アキレス腱内側を下に引くと同時に腓骨筋を上に引っ張りあげたまま足首を動かしてもらうと一切痛みが無くなりました。
筋膜が変化するのに必要な時間は45秒から90秒といいますから、その間じっと保持。
それから立ってもらい足踏みをしたり屈伸をしたりしても痛みは無くなりました。

足首を内に引っ張るのはアナトミー・トレインで言うディープフロントライン、外に引っ張るのがラテラルライン。
それが距骨を介してバランスが崩れていたみたいです。
ここで面白いのが片方だけやっても痛みが消えずに、両方を同時にやることで痛みが消えたということです。

 

**************************************